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愛知県 S様

酒造メーカが、旨い酒づくりを目指し自社で酒米を生産!


S様

M様

お酒を海外販売するには原料=酒米の栽培履歴が必要

例えば、コメ生産者が生産したコメをオニギリやお餅に加工して販売をすることもある。逆にレストランが食材となる農産物を生産をすることも増えている。いわゆる一貫生産である。

その代表格が酒造メーカである。日本酒ブームでお酒の海外販売が進んでいるが、海外ではどんな原料を使ってお酒を造っているか、トレーサビリティが確保されていないと販売に結び付かない国も多い。そのためグローバルGAPの取組みが進んでおり、農業生産者任せにするのではなく、自ら酒米を生産する酒造メーカも増えている。



米国でO‐157による食中毒が発生したことを契機に「生産現場の安全意識」と「適切な農場管理」の実施が世界中で考えられるようになり、GAP(Good Agricultural Practice)の実践が重要視されている。

愛知県北部で一年待ちのブランドとなっている「蓬莱泉」を製造するS醸造も海外戦略を見据え、自ら酒米を生産している。現在20%が自社生産の酒米を使って酒づくりを行なっている。耕作放棄地が増え、地元で酒米を確保するのが難しいことと、中山間地の景観維持のために10年ほど前、アグリ事業部が設立された。「最初は素人の集まりだったのでとにかく酒米を作ってみよう」とスタートしたが、10年経った今では、酒造りの部門から求められる酒米=割れが少なく、タンパク値の低い、粒のそろった大きな粒の酒米を作れるようになった。

同じ会社とはいえ、部門間で卸しているので、アグリ事業部にとって酒製造部はお客さまにあたる。今ではかなり厳しい注文が出されるという。

例えばタンパク値。これについてはKSAS対応コンバインで食味値が測定できるので、翌年の施肥計画で対応する。「収量にばかり気を取られると施肥が多くなってしまうが、施肥量が多いとタンパク値が高くなる。とにかく無駄な施肥はしないようにし、割れの原因になる過乾燥には特に気を使っています」とS様。

2019年、乾燥機の更新がありKSAS乾燥調製システム対応の乾燥機を導入し、システムの運用も始まった。導入で管理する人間が非常に楽になった。乾燥中の乾燥状態も1時間に1回ごとに施設に来て、穀温、熱風温度、その時の水分量、予定終了時刻など確認して手書きで記録を残していた。KSAS乾燥調製システム導入で全時間帯の情報が確認でき、自動で記録できるようになったので夜間の見廻りもなくなった。

また、Excelで出力もできるのでファイリングして酒製造の精米部門に渡すこともできるようになった。逆に精米部門からデータを見て質問されることもある。酒米は50%削ることもザラなので、それに耐えられる酒米を作ることが使命だ。「杜氏さんから『今年のコメは出来がいいね、良いお酒ができたよ』と言われるのが嬉しくて、いいお酒になるコメづくりを目指しています」とS様。


精米前の乾燥調製が旨い酒を造る決め手!

アグリ事業部で刈取られ、乾燥調製された玄米は、製造部で精米される。これまでは、玄米の見た目と製造部であらためて測定した水分値で良し悪しを判断していたが、今はアグリ事業部から乾燥調製工程のデータが玄米と共に納品される。「乾燥が丁寧だと、酒米を削っても割れない。納入時の水分は15%前後が基準だが、その前工程である乾燥調製での乾燥は精米の良し悪しに直結する。時には、圃場での管理まで確認することもある」とM様。「自社生産米なら刈取り~乾燥調製まで見えるので、今後は自社生産米の割合が高まるべきだ」と語る。

精米したお米で旨い酒を造る。そのためには原料となる玄米の丁寧な乾燥、割れのない粒のそろった玄米に仕上げることが重要になる。