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  3. A.経営の基本 - 5.農産物取扱い工程におけるリスク管理

A.経営の基本

5.農産物取扱い工程におけるリスク管理

番号 レベル 管理点 適合基準 取組例・備考
(①や②の数字は適合基準に対応した番号)
参考
帳票
KSAS
適用
5.1 必須 農産物取扱い施設における交差汚染及び異物混入の防止
  • ① 農産物取扱い施設及びその敷地内における下記のものと、汚染物質との交差汚染及び異物混入に対するリスク評価を年1回以上実施し、必要な対策を講じている。なお、対策には立地や施設構造の見直しを含む。
  • 1)農産物
  • 2)包装資材
  • 3)収穫及び農産物取扱い関連の機械・設備・輸送車両・容器・備品等
  • ② リスク評価の結果及び対策を記録している。
例えば、汚染物質には農薬・肥料・薬剤・燃料・機械油、廃棄物、有害生物(昆虫及び鳥獣類)、汚水(停滞水・廃水)・雨漏りや結露による汚染、有害な排気、人由来のもの、施設構造物(天井・壁・床等)・設備・備品(照明、空調、机等)等の経年劣化・破損等による異物等がある。

必要な対策には、例えば、点検・補修・交換、ゾーニング(汚染エリアと清潔エリアを分ける)、整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌、入場ルールの徹底等がある。

対策は他の管理点の対策を引用してもよい。
5.1.1 必須 農産物取扱い施設のレイアウト 農産物取扱い施設のレイアウト図(見取り図)がある。 リスク評価の資料として活用するためにレイアウト図を用意する。例えば、エネルギー・水・吸排気の関連設備、製造設備・機械、資材・工具・油類・掃除用具等の置場、入出荷口、出入口、靴の履き替え場所、休憩・喫煙場所、飲食場所、トイレ、更衣場所、手洗場、廃棄物置場等が明確になった農産物取扱い施設のレイアウト図を用意する。
5.2 必須 農産物取扱い工程の明確化
  • ① 農産物・品目ごとに、下記の内容を含む農産物取扱い工程を文書化している。
  • 1)作業工程
  • 2)工程で使用する主要な資源
    (水、資材、機械・設備、運送車両等)
  • ② 工程を変更した場合には、文書を見直している。
5.3 必須 食品安全危害要因の評価
(農産物取扱い工程)
  • ① 管理点5.2で明確化した農産物取扱い工程について、年1回以上、発生する食品安全危害要因を特定しそのリスク評価を実施している。
  • ② 上記の評価の結果を文書化している。
  • ③ 管理点5.2の農産物取扱い工程を変更した場合には①を見直し、必要に応じて②の文書を修正している。
食品安全危害要因は、下記の観点で特定するとよい。
  • ・その工程で混入・付着する可能性のある危害要因
  • ・栽培工程や収穫工程で抑制しきれない残存している危害要因
  • ・管理をしないと増大する危害要因

また、食品安全危害要因の健康への悪影響の重大さ及びその起こりやすさにより、リスクの程度(高い、低い等)を評価する。

食品安全危害要因には、例えば下記がある。
  • ・生物的危害要因:病原微生物
  • ・化学的危害要因:農薬・カビ毒・肥料・油類等の化学物質、重金属類
  • ・物理的危害要因:ガラス片・金属片・プラスチック片・木片・石・砂・降灰等の異物・放射性物質
5.3.1 必須 農産物特有の食品安全危害要因の抽出 下記に該当する農産物・品目の場合は、下記の事項を必ず食品安全危害要因として抽出している。
  • ① りんご、梨の収穫及び農産物取扱い工程におけるパツリン(かび毒)汚染
  • ② 生食用野菜の収穫及び農産物取扱い工程における病原性大腸菌汚染
  • ① パツリンはカビ毒の一種であり、土に落下した果実への土の付着と傷口からの侵入が報告されているため、収穫時に注意が必要である。また、選果段階における腐敗果の選別の徹底、貯蔵中の温度管理に注意する。
  • ② 生食用野菜の場合、特に収穫後の堆肥との接触、不衛生な水、用便後の作業員の手洗い不足により汚染される可能性が高いため注意が必要である。
5.4 必須 対策・ルール・手順の決定
(農産物取扱い工程)
管理点5.3のリスク評価に応じて、食品安全を確保するための対策・ルール・手順を定めて文書化している。 下記に示す管理点の対策・ルール・手順を引用してもよい。
  • ・13.作業者及び入場者の衛生管理
  • ・16.水の利用及び廃水管理
  • ・17.施設の一般衛生管理
  • ・18.機械・設備、運搬車両、収穫関連の容器・備品、包装資材、掃除道具、工具等の管理
  • ・20.廃棄物の管理及び資源の有効利用
5.5 必須 対策・ルール・手順の実施
(農産物取扱い工程)
管理点5.4で定めた対策・ルール・手順を周知し、教育訓練した上で実施している。
5.5.1 必須 対策・ルール・手順の実施記録 管理点5.3においてリスクが高いと評価した食品安全危害要因を抑制する対策・ルール・手順について、実施した結果を記録している。
5.6 必須 対策・ルール・手順の検証
  • ① 管理点5.3においてリスクが高いと評価した食品安全危害要因を抑制する対策・ルール・手順の履行及び有効性を検証する方法を文書化している。
  • ② 上記①で定めた方法に従って検証を行い、その結果を記録している。
  • ① 例えば、対策・ルール・手順の履行状況を管理点5.5.1の記録から確認する手順としている。

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