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  3. D 労働安全 - 15. 作業者の安全

D 労働安全

15. 作業者の安全

15.1 事故の防止

番号 レベル 管理点 適合基準 参考帳票 KSAS適用
15.1.1 必須 労働安全の責任者がいる ① 労働安全の責任者が特定されている。(管理点1.2.1参照)
② 労働安全の責任者は、農場内の労働安全について管理の責任を負っている。
15.1.2 必須 農作業における危険箇所を書き出している 農場内で考えられる危険な作業・危険な場所についての一覧表がある。一覧表は、作業内容・作業場所・機械の観点から作成されている。作業内容・作業場所・機械に変更があった場合には、危険な作業・危険な場所の一覧表を修正している。
15.1.3 重要 事故の防止対策を立てている 管理点15.1.2の危険な作業・危険な場所の一覧表に基づき、事故を防ぐための対策、ルール、作業手順が文書化もしくは表示されている。
作業内容・作業場所・機械の変更があった場合は対策の再検討を行っている。
対策の設定にあたっては、農林水産省『農作業安全のための指針』や独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)『農作業現場改善チェックリスト』を活用している。
15.1.4 重要 危険な作業は作業者を制限している 管理点15.1.2で特定した危険な作業を実施する作業者は下記の条件を満たしている。

① 安全のための充分な訓練を受けたことが記録で分かる。
② 酒気帯び者、薬剤服用者、病人、妊婦、未成年、必要な資格を取得していない者、ではない。
③ 高齢者の加齢に伴う心身機能の変化をふまえた作業分担の配慮をしている。
④ 安全を確保するための適切な服装・装備を着用している。
15.1.5 重要 事故の防止対策を作業者に周知徹底している ① 管理点15.1.3で定めた事故を防止するための対策、ルール、作業手順を作業者全員に周知し、実行させている。
② 危険性のある作業内容・作業場所・機械については、作業者の目に付くような危険表示をしている。
③ 点検作業等はマニュアル化し、経験則ではなく誰でも分かるようにしておく。
④ 作業者の間でヒヤリハットの情報共有をしている。
⑤ 機械類の誤操作を防ぐ対策をとっている。
例えば、次のような方法がある。カバーを付ける、操作法を掲示する。
参考帳票15.1.3~15.1.5
15.1.6 必須 労働安全衛生に関する作業の資格を持っている 法規制で要求されている場合には、労働安全衛生に関係する作業の公的資格の保有、または講習を修了した者がいることを証明できる。

例えば、下記のような免許・講習がある。大型特殊免許、危険物取扱者、フォークリフト運転技能講習、はい作業主任者、ボイラー取扱技能講習、玉掛技能講習。
15.1.7 重要 安全な農業機械を使用している ① 新しく購入する農業機械は、型式検査合格証票や安全鑑定証票の有無を確認している。
② トラクター等乗用型機械は転倒事故防止の対策をとっている。
③ 農業機械の取扱説明書は、内容を理解し、すぐに取り出せるところに保管している。
15.1.8 重要 適切に燃料を保管管理している
(その1)
① 燃料タンク配管からの燃料漏れがないか確認している。
② 燃料タンクの容量にあった防油堤を設置している。
③ 内容物に適した容器を用いている。例えば、ガソリンは金属製の容器に入れている。
④ 燃料のそばで火気を使用しない。
15.1.9 努力 適切に燃料を保管管理している
(その2)
① 使用しないときはバルブをしっかり閉めている。
② 燃料タンク・ポリタンク等の転倒防止対策を講じている。
③ 危険物表示を行っている。
④ 消火器を用意している。
15.1.10 必須 保護衣・防護具を着用している 作業者は農薬のラベルの指示に従って適切な保護衣及び保護具(防護マスク、保護メガネ、ゴム手袋、ゴム長靴)を着用している。
15.1.11 重要 保護衣・防護具を洗浄している ① 保護衣を着用後に毎回洗浄している。
② 再利用する保護具を使用後、毎回洗浄している。
③ 保護衣は着用後に他の服とは分けて洗浄しており、手袋は外す前に洗っている。
④ 破れたり痛んだりした保護衣や、マスクの汚れたフィルターは新しく替えている。
15.1.12 必須 保護衣・防護具を適切に保管している 保護衣と保護具(防護マスク、保護メガネ、ゴム手袋、ゴム長靴)を農薬および農産物と接触しないように保管している。また、換気のよい場所に保管している。
15.1.13 重要 訪問者に対する注意喚起をしている 下記に関して、訪問者も守るべき農場のルールを訪問者に伝え、注意を喚起している。

① 管理点15.1.3で定めた事故防止
② 食の安全
③ 環境への配慮

15.2 事故発生時の対処

番号 レベル 管理点 適合基準 参考帳票 KSAS適用
15.2.1 重要 事故の対応手順を周知している 労働事故発生時の対処手順や連絡先(労働安全の責任者、病院・警察・消防署)、非常口・消火器の場所、水道・電気・ガスの緊急停止方法が定められており、作業者全員に周知されている。
15.2.2 重要 緊急事態の準備をしている 労働事故発生時に清潔な水および救急箱がすぐに使えるようになっている。
15.2.3 重要 応急処置ができる人がいる 農場内に少なくとも一人、応急処置訓練を受けた作業者がいる。

15.3 保険の加入

番号 レベル 管理点 適合基準 参考帳票 KSAS適用
15.3.1 必須 労災保険に加入している
(その1)
常時雇用の従業員がいる場合、労災保険に加入している。
(常時雇用の従業員が5名未満の個人事業を除く)
15.3.2 努力 労災保険に加入している
(その2)
① 常時雇用の従業員が5名未満の個人事業であっても、労災保険に加入している。
② 従業員以外の農場主や家族従事者が、労災保険に特別加入している。
15.3.3 努力 任意保険に加入している ① 必要に応じて傷害共済等の任意保険に加入している。
② 農耕作業用の大型特殊自動車及び小型特殊自動車の任意保険に加入している。

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